ヤクザ物の漫画ですが、この物語が一風変わっているのが
主人公が十年前からタイムスリップしてきたヤクザだというところです。
主人公「阿久津丈二」は成果を上げられず、出世の目もなく、あまり良くない妻をもらい受け
納得出来ない人生を歩んでいました。
そんな、丈二は、ついに鉄砲玉(死んでも良い人間を敵地に送ること)として、黒川組に拳銃を持ち突撃したのですが
自らのミスで死んでしまいます。
しかし、死んだかと思った丈二は十年前に戻ります。
普通のタイムスリップと違うのが、意識だけが戻り、
ベテランヤクザの頭脳を持った、十年前の若い状態での再スタートです。
コナン君パターンですね、
最初の頃の丈二の武器は、このタイムスリップした事による
未来のことを知っていることと、若いのに経験が豊富なことの二点しかありませんでした。
しかし、抗争をくぐり抜けてきた成長によるものか、物語の主人公としての魅力を付けるためか、
能力の高さ、そして、何よりも器の大きさ(寛容な心)が丈二の力になり
様々な敵や大物が、丈二に惚れ込み、組員になっていきます。
この漫画は読めば読むだけ面白くなっていきますが
如何せん、1990年代の漫画のため、絵が古臭いです。
序盤は作画の人が新人だったためか、結構、下手です。
(今ではヤンマガでモンタージュを描いてますが、この時とは段違いの上手さです)
ただ、その反面で、62巻という長編にもかかわらず、時代を現代にしなかったのは、良いと思います。
そもそもとして、丈二がタイムスリップしてきた未来よりも未来にするわけには行かないので当然ですが
ちゃんと、1990年代の世界観のままです。(こちら葛飾区亀有公園前派出所などは完全に現代に。。。)
新宿、刑務所、千葉、再び新宿と舞台が変わっていきますが、個人的には千葉の頃が一番面白かったですね。
丈二が一番幸せだった頃ではないでしょうか?
人間の幸せは地位や名誉や金ではなく、別のものと感じてしまいます。
以下、ネタバレです
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この漫画は、丈二が「海江田組」の組長になった時点で終わるべきだったと思います。
組長になった瞬間に終了ではなくても良いのですが、その後は1、2巻で終わりに向ければよかったと思います。
最終回は叩かれていますが、まだ良いと思います。
丈二はゲームのプレイヤーに操られるキャラクターで、タイムスリップと思っていたものも実は単なるバグで
最初から始めたのにデータが残っていただけであった。
それで再度はじめからやって、TAKE3が始まるというものですが
夢オチに近いため、終わり方としてはダメかもしれませんが、原作者が、以前から終わりは考えていたと言うように
伏線が回収はできてるので、良いとは思います。
しかし、その寸前のテロリスト編はつまらなかったです。
その前までやっていた短編的な事件もあまり楽しくなかったですが、まだ、ヤクザの話でしたが
このテロリスト編はタイトルのとおりに、対テロリストです。
別に私はヤクザの話が好きなわけではないですが、この原作者の方はヤクザの話こそが旨味であり
代紋のキャラクター達は、その世界でだから輝ける存在だったのではないでしょうか?
別に代紋に戦車やロケットランチャーは出てきてドンパチしなくていいのです。
鉄砲を撃つふりをして、後は駆け引きで、その場を収める。それが面白かったように感じます。
ただ、あくまで、代紋という名作の中での、面白くない箇所で
普通の漫画としては後半も楽しめますし、中盤までは62巻も続いた理由が分かる出来かと思います。
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