■概要
岡本倫先生のデビュー作品です。
そのため、巻数を追う毎に画力が上がっていきます。
俗に言うグロ系の漫画ではありまして、それは否定できませんが
それだけでは無い漫画です。
■エルフェンリートの特徴
ただのグロ漫画ではないと聞きますが、残虐なシーンは多々あります。
そのため、向かない人には向かないと思います。
ただ、それだけではなく、扱うテーマとしては、差別でしょう
新人類、二觭人(ディクロニウス)として、現人類を滅ぼすために生を受けてしまった、主人公ルーシーの悲しいお話です。
最終局面を抜かせば、単純な力というよりも、現人類がディクロニウスの子供しか埋めないようになるウィルスを放ち
吸血鬼のように感染症のように、人類を追い詰めていきます。

こんな悪人顔なルーシーではありますが、頭に生えてる角のせいで差別を受けてきたためであり、
自らの生い立ちや、人間を滅ぼすべき、自らのDNAからの声が影響してます。
ただ、悲しいだけではなく、ディクロニウスの一人である「ナナ」のおかげで、ギャグ的なパートもあります。
アニメ版と漫画版では、結末も含めて、大分違うため、どちらも楽しめると思います。
個人的には、アニメ版はマリコの最後が良く、漫画版はルーシーの最後が良いと思いました。
アニメ版のオープニング曲は、とても素敵です。
■コウタとルーシーの関係
この関係が、この漫画のメインストーリーになるでしょう。
ストーリーが進む毎に、記憶の一部が欠けているコウタの記憶が戻っていきます。
その記憶は、ルーシーとコウタの間で起きた、物語の根底となる凄惨な事件が関わってます。
コウタは嫌われるキャラクターではあります。
恐らくは、女性キャラに対して、誰にでも好意を持たえるような事をするからだと思います。
私は特に好感も否定も無いのですが、身内に対してあんなことがあったのに
人間味が無いと思います(特にアニメ版)
ルーシーは、コウタに好意を持っていたと思いますが、反対はどうだったのかと気になります。
最後も、大切な人ではなく、大切な友人と言ってます。
まあ、ただ、そうであれば、そこは結構、当初から恋人候補であった。ユカに一途であったとも言えます。

■見解(ネタバレあり)
ルーシーは最初から最後まで幸せになる光景が浮かばないキャラクターでした。
人に危害を加え、しいては、最愛である人のコウタの父親と妹の命を奪ってます。
結局、ルーシーはコウタと出会っても、自らの運勢に抗えなかったことになります。
意識をDNAの声に乗っ取られてとは言え、人類に牙を剥きます。
最後、命が尽きる時に子供の姿で、コウタと会話する姿は涙が出てきました。
人間という性質から、難しいとは思いますが、
角が生えていても、ルーシーが子供の頃に人間に愛されていれば
コウタがルーシーに好意を持っていれば
結末も変わっていたかもしれません。