
■概要

「ドラゴンヘッド」はヤングマガジンで掲載されていた、望月峯太郎先生の作品です。
恐怖を表現した漫画だと思います。
全10巻の作品です。
内容としては、結局、謎で包まれてまま終わります。物語の真実の伏線は回収されずに、読者の想像にまかせる形です。
巻数も多くないため、前半から、後半全てにおいて、面白く一気に読むことが出来ます。
絵はあまり上手ではないですが、独特な雰囲気があると重います。
恐怖を煽る描き方が上手かなと思います。
■ドラゴンヘッドの面白さは?
ドラゴンヘッドの面白さは、何が起こっているか分からないことにあります。
日本は滅亡に向かって進むのですが、その原因自体は不明です。
最初は災害のような雰囲気を持ち、その後は、国内のテロリスト的な存在のような匂いを持たせてます。
主人公が無力な学生のため、日本沈没のように、その状況を解決するために動くのではなく、被害者として、
災害で起こるとんでもないことから、脱出するストーリで、ハラハラします。
また、人間の狂気を垣間見れるのも楽しさの一つでしょうか。
■話の構成
主人公のテルと、アコと、ノブオを含めた、ある学校の修学旅行が、何かの現象により、トンネル内で、新幹線脱線事故を起こしたところから物語が始まります。
一番初めの危機の脱出は、この倒壊したトンネル内からの脱出になります。
脱出することにおいて、一番の敵は暗闇になります。この暗闇に飲み込まれたノブオとの対決が、ここの物語の山場になります。
結局、彼とは和解が出来ずに、テルとアコは二人で脱出します。

次は脱出後の話になります。
脱出したら、家に帰れると考えていた二人でしたが、外の世界は、更に絶望的で、その破滅した世界を、二人の家がある東京に向けて、歩を進める事になります。
途中、自衛隊であり、ヘリという最高の移動手段を持った仁村と岩田に会い、彼らに協力を求めますが、テルは拒絶されてしまいます。
どこか、ネジの飛んだ仁村に怪我を負わされてしまい、重症になってしまいます。
ただ、拳銃を持ったアコの脅しにより、協力してもらえることになります。
次は、重症を負った、テルを治療するために、アコと仁村が、病院に薬を取りに行く話です。
ここの大事な所は、敵である仁村と弱者のアコとのコンビだということです。
基本的には常識人な岩田の考えで、仁村に銃、アコに弾丸を持たせる形にしてますが、いつ裏切るか分からない仁村との行動は、恐怖感があり面白いです。
また、もう一点として、純粋なアコに対して、惹かれていく仁村も見所です。
また、後半からは、近隣に住む人間たちの狂気と、ドラゴンヘッドのタイトルにもなっている、龍頭と呼ばれる人間たちが出てきます。
彼らは、現在の、破滅の恐怖から逃げるために、ロボトミー手術をされており、感情を消されてます。
無事、薬を手に入れ、テルが回復し、東京に向けて、飛行を開始します。
しかし、あるデパートで物資を補給途中に、津波が襲ってきて、それに巻き込まれた、テルを一行から分離させます。
テルはボロボロの体で、東京に向けて歩を進めていきます。
アコが残してくれた励ましもあり、東京につくのですが、そこで不思議な集団と出会います。
その集団は、恐怖を覗かれた、竜頭をした人間たちと、それを支配する太ったおっさんでした(笑
そこには、宗教じみた恐怖があり、テルも恐怖を取り除き、参加することを望まれましたが、彼はそれを断り、再度、アコを探しに向かいます。
無事にアコを見つけたテルでしたが、そこには、病院のことで、アコに惹かれた仁村が
テルに彼女を渡すまいと、脅してきます。
二人は戦いますが、当然、地力のある仁村が勝ちそうになりますが、アコの手助けもあり、テルが勝利します。
しかし、世界の滅亡は止めることが出来ずに、二人は、襲い来る様々な災難を避けながら、あてもなく歩いていきます。
■結局どうなったの?
結局の話が、何がこの事態を起こしたかは謎のままで終わります。
爆発が起きたということは確かなのですが、それが何かは不明です。
地震、核攻撃、富士の噴火のどれかだと推測してますが、結局はどれとは確定できてません。
ただ、それで良かったのかもしれません。
最後まで、この事象は何が影響かと考えることも出来ますし、分からない恐怖を読者に与えていたように思えます。
面白い漫画だったけど、災害の原因は分からなかった。
絵は下手ではないだろ