■概要
ゴルゴ13を抜く、長寿漫画である、秋本治先生の作品「こちら葛飾区亀有公園前派出所」です。
ご存知、主人公「両津勘吉」が大暴れする漫画です。
一言で言えば、愛すべき不良警官の話でしょうか(笑
序盤は、悪党のような警官の話。後半部は、知識豊富な金に貪欲な江戸っ子な警官の話でしょうか。
1976年スタートで、40年続き、200巻を出した、とんでもない作品です。
■両津勘吉

両さんのキャラクターは、最初と最後では別人と言って良いでしょう。
キャラデザイン一つを取っても、一巻の絵柄は、今のような可愛らしさは全くありません。
競馬好きの拳銃をぶっ放しまくり、恐ろしくも、粗暴なキャラクターでした。
後半によくある、下町で粋な両津は、この時は全く存在しません。
こち亀、後半の両さんは、オタク要素が入ってきました。
オタク要素以外にも時事ネタも扱い、大人が見ても楽しめる漫画になってきました。
恐らく、作者の方が、それらに興味を持たれたのだと思いますが、良く研究されていると思います。
■個性ある脇役

こち亀の魅力を出してるのは、両さんだけではありません。
他にも魅力あるキャラクターが大勢居ます。
中川圭司は最初は、メチャクチャなスピードで車を走らせたり、拳銃をぶっ放したりと、両津も引くほどの、飛んだ若者だったのですが
中盤からは、大金持ちの良識人になりましたね。
個人的には、こち亀は、中川の使い方上手でしたね。良識人と見せかけて、たまに可笑しな行動をするのが、凄く面白くなってます。
両津の誕生日に準備してるのに、彼が見つからないときの、「どこ行ってんだあの角刈り野郎」は、何度見ても笑います。
秋元麗子は最初は、セクシー系のキャラクターで、両津がはしたないと言うほどの女性でした。
中盤からは、彼女も大金持ちの良識人になりました。
ただ、少々、中川とキャラクターが被ってる気がするんですけどね。。。
「そう、ありがとう。いき遅れたら両ちゃんにもらってもらおうかしら」は、両津と麗子がくっつくかもと思ったものですが
後半からは、纏が出てきたので、そういう雰囲気は全くなくなりましたね。
大原部長は無くてはならないキャラクターになりましたね。
彼がいなければ、こち亀がオチませんからね。
「両津のバカはどこだ!!」
ただ、最初と比べ、彼は、反対に少し良識度が落ちた気がしますね。
両津と一緒にやんちゃする時があるような。。。
■見解(ネタバレあり)

100巻前後で、寿司屋である、纏が出てきて、それらの話が嫌いで、読まなくなった方がいると聞きます。
私も最初は嫌いなキャラクターではありましたが、慣れるとそうではなくなりました。
恐らく、ジャンプ側のテコ入れではないでしょうか?
両さんも、アニメになり、国民的なキャラクターになってますので、ただのちょい悪親父ではなくて
擬宝珠家の檸檬を始めとしたキャラクターと絡み、良き親父として描く必要が出たのではないでしょうか。
擬宝珠家自体が両津が家族を持ったらという想定で作られたと言われてます。
ただのお金好きの好戦的な人間では、ここまで、一般の人にまで愛されるキャラクターにはなれてなかったでしょう。
初期キャラクターの戸塚が消えたと良く言われますが、あの人は、後半の作風には合わないでしょうね。
後半の両さんも、前半の両さんも好きです。
日本が誇る名作です。
こち亀終わっちゃいましたね。