■作品の概要
ビッグコミックスピリッツに掲載されていた、小説家の小松左京先生の作品を原作とした、一色登希彦先生の漫画です。
実は、原作、映画ともに見たことがありません。
そのため、この漫画版のみのレビューになりますが、こちらは、推測に近いのですが、原作から離れているのではないでしょうか?
中盤は近未来的な科学力、そして、後半は、軽くロボット物の要素が入っているようにさえ思えます。
ただ、概ねの内容としては、同じだと思い、日本が国土を失うという、絶望的なお話です。
関東大震災を含め、人々が恐れている災害をシミュレーションしてます。
この作品は、前半戦と後半戦が存在してます。
前半は日本が破壊される過程、後半は破壊された日本で、日本人がどう生きているか、そして、亡国の人間を世界がどう受け入れるかになってます。
■あらすじ
小野寺俊夫は人間が嫌いで、陸上の喧騒の多い生活を嫌い
海底開発興業株式会社の潜水艇パイロットを仕事としてます。
小野寺の腕前は相当で、世界的にも有名なパイロットです。
そんな孤独ながらも順風な日々を送っていた小野寺ですが
ある日、仕事終わりの際に、あるビルに、友人の結城と一緒に行くと、不思議な学者「田所雄介」とレスキューの「阿部玲子」と出会います。
そこで、彼らはビル全体が地下に飲み込まれるという不思議な事件に立ち会います。
田所は、これを、このビルだけの事象ではなく、日本全体に起きうることだと考え、その予想は不幸にもあたってしまい
日本全土で、様々な災害が起きて行ってしまいます。
■見所
[作中の総理が避難警報を出さなかった際のセリフ]
日本全国で起こる、災害シミュレーションでしょうね。
こんな事が起こったらどうしょう?と思いながら、ページを捲り続けることになります。
後は、少し進んだ科学しょうか?
非日常的なものではなく、有り得そうな科学なため、見ていて面白いです。
下記より、ネタバレも入るため、注意
■個人的な評点
災害の描写などは、面白いというよりも、目を見張ります。
そのため、前半は時間を忘れるくらい面白く読めると思います。
後半は、小野寺が結城を間接的に殺してしまったショックから、記憶を失ってしまうのですが
彼の記憶が無いことの葛藤などが描かれているのですが、正直、つまらないです。
作者の方には申し訳ないのですが、ここはもう少し短くして、もっと、日本の災害のシミュレーションや最悪の事態の対処法を
描写して欲しかったです。
そのため、後半でも、自転車で帰ろうとしてる青年の話は面白かったです。非常時の人間の恐ろしさが描かれてます。
ただ、殆ど、壊滅的になった亡国の日本人を、他国がどう受け入れるかという所は面白かったですね。
後、一色登希彦先生には申し訳ないのですが、絵はあまり上手ではないため、そこは期待しないほうが良いです。
また、恐らくですが、この作者の方は、エヴァンゲリオンに影響を受けてらっしゃるのでしょうね。
随所随所でその雰囲気があります。
■疑問点
最後なんですか。あれ??
電子生命になったという意味合いだと思うのですが。。。
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