レビューの内容
香港で、天野修善に一杯食わされた真虎は、結局、彼の隠し口座を発見することが出来ずに
隠し金を日本に移動させることを許してしまう。
これにより、天野の柚木組の組長が決まってしまう形になる。
真虎は失意の元日本に帰る。
帰国し、真虎は生きる屍となっており、それを見かねたタツヒコは、お決まりといっても良いタイマンを申込む。
真虎に勝った、タツヒコは自分に付いてくるように言う。
真虎はそれに従ったように見えたが、用事があると言い、タツヒコと別れる。
場面が変わり、香港で勝利した天野が勝利を確信し、高笑いを浮かべるシーンになる。
天野は日本に移動させた隠し金を確認しに、若頭に確認を取る。
しかし、その電話を受けているのは、声真似をしている、死んだはずの馬頭であった。
天野がその電話の指示に従った場所に行くと、そこには、若頭の下里の死体と、真虎の姿があった。
天野は真虎に駐車を打たれて、拉致される。
実は、真虎は、天野の隠し口座を見つけていたのだ。
共犯者である、卵月の提案で、天野が絶頂に登った気分を味わった瞬間に絶望に叩き落としたかったのだ。
金を奪われてしまった天野は、柚子組に対する失態に対する絶望的な未来を想像し、自らの手で自害する。
復讐を果たした真虎であったが、隠し口座を見つける際に殺した天野大河の弟の
天野レオによって、拳銃で撃たれてしまう。
真虎は、死ぬ間際に復讐の連鎖を止めるためにも、タツヒコに、レオを恨むなと言い残す。
天野という、新宿の一大勢力も消え、歌舞伎町は平和になりました。
こんな感じですが、最終話に近づくにつれ、主役のタツヒコが空気になってきましたね。
新宿スワンの大きなテーマというか、メインストーリーが、「辰巳幸四郎」の死の謎と、その復讐劇なのですから、
それの当事者ではない、タツヒコが目立てるわけがありません。
主人公とメインストーリーとの大きな関係が、渦中の辰巳に、性格が似てるだけですからね。
ただ、ラストとして、良かったと個人的には思います。
真虎がタツヒコに諭されて、復讐を辞めるという、ありきたりな終わり方ではありませんでしたからね。
ただ、本編ではなく、単行本の描き下ろしでしょうが、そのラストは好きであり、意外でした。
申し訳ないですが、読者ですら忘れていた、アゲハと最終的に結ばれるとは・・・。